大阪地方裁判所 平成2年(わ)3209号 判決 1991年6月14日
本店所在地
大阪府堺市甲斐町東三丁一番四号
株式会社ニューホワイト
(右代表者代表取締役 白野稔治)
本籍
大阪府堺市西湊町一丁六七番地
住居
兵庫県宝塚市寿楽荘一番五四号
会社役員
白野稔治
昭和一二年一二月二九日生
主文
被告人株式会社ニューホワイトを罰金六五〇〇円に、被告人白野稔治を懲役二年に処する。
被告人白野稔治に対し、この裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人株式会社ニューホワイト(以下、被告会社という。)は、大阪府堺市甲斐町東三丁一番四号に本店を置き、遊技場(パチンコ店)の経営等を目的とする資本金二〇〇〇万円の株式会社であり、被告人白野稔治(以下、被告人という。)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していた。被告人は、被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと企て、
第一 売上の一部を除外し、これにより得た資金を無記名の債券等として留保するなどの方法により所得の一部を秘匿した上、被告会社の昭和六〇年八月一日から昭和六一年七月三一日までの事業年度における実際所得金額が二億八二一六万七五六四円あった(別紙修正貸借対照表(一)参照)のにかかわらず、同年九月二九日、大阪府堺市南瓦町二番二〇号の所轄堺税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四七三万三七七四円で、これに対する法人税が一八八〇万六九〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させた。その結果、右事業年度における正規の法人税額一億二〇四八万一三〇〇円と右申告税額との差額一億一六七万四四〇〇円(別紙税額計算書参照)を免れた。
第二 前同様の方法により所得の一部を秘匿した上、被告会社の昭和六一年八月一日から昭和六二年七月三一日までの事業年度における実際所得金額が三億八五〇四万九〇三五円あった(別紙修正貸借対照表(二)参照)のにかかわらず、同年九月三〇日、前記堺税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億二八二七万三九円で、これに対する法人税額が五二一五万九四〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させた。その結果、右事業年度における正規の法人税額一億六〇〇〇万六六〇〇円と右申告税額との差額一億七八四万七二〇〇円(別紙税額計算書参照)を免れた。
第三 前同様の方法により所得の一部を秘匿した上、被告会社の昭和六二年八月一日から昭和六三年七月三〇日までの事業年度における実際所得金額が二億五三二五万一〇一〇円あった(別紙修正貸借対照表(三)参照)のにかかわらず、同年九月三〇日、前記堺税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七九三六万八四八五円で、これに対する法人税額が三一六七万一九〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させた。その結果、右事業年度における正規の法人税額一億四七〇万二八〇〇円と右申告税額との差額七三〇三万九〇〇円(別紙税額計算書参照)を免れた。
(証拠)
(注)括弧内の算用数字は検察官請求番号を示す。
全部の事実について
一 被告人の公判供述
一 被告人の検察官調書五通
一 被告人に対する質問てん末書二七通
一 西久保治子、廣畑朝郎、西山貴久、前田精一(二通)、川口博史及び平野浩三(三通)の各検察官調書
一 西久保治子(八通)、白野久子(二通)、白野雅夫(二通)、白野節男(二通)、白野静佳、廣畑朝郎(二通)、西山貴久(二通)、永園義治、前田精一(二通)、川口博史、平野浩三(三通)、栗田陸男、南口正行及び上田光臣に対する各質問てん末書
一 査察官調査書二七通
一 証明書二通(78、115)
一 登記簿謄本及び閉鎖登記簿謄本(三通)
第一の事実について
一 証明書(4)
第二の事実について
一 証明書(5)
第三の事実について
一 証明書(6)
(法令の適用)
一 罰条
(一) 被告会社
いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項
(二) 被告人
いずれも法人税法一五九条一項
二 刑種の選択
いずれも懲役刑(被告人)
三 併合罪
(一) 被告会社
刑法四五条前段、四八条二項
(二) 被告人
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第二の罪の刑に加重)
四 刑の執行猶予
刑法二五条一項(被告人)
(出席した検察官福垣内進、弁護人家藤信正)
(裁判官 三好幹夫)
修正貸借対照表(一)
<省略>
修正貸借対照表(二)
<省略>
修正貸借対照表(三)
<省略>
税額計算書
<省略>